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迷惑メール、料理、テレビ、ラジオメモ。

ボクらの時代 三谷幸喜×中井貴一×佐藤浩市 記憶にございません、中井ピーチ、若山富三郎、クマの着ぐるみ(抜粋)

佐藤 僕は中学で8ミリ映画を撮ったの。当然ブルース・リーみたいな。
三谷 僕もやりましたよ。刑事コロンボが大好きで、コロンボになって友達に犯人役、被害者役やらせて。ワンシーンを撮影。でも友達はコロンボ知らないし、何を俺はやらされてるのかわかんない状態。ひとりで自作自演やってました
佐藤 こちらの方はアスリートだから。
中井 そうなんですよ。俺は確実に体育会系。こちら文化系。出発点は違うんですよ。おれは中学の時からテニスやって、それこそずっと運動やってましたんで
三谷 それじゃ最初にお芝居に目覚めたのはいつごろなんですか
中井 目覚めてないですよ(笑)浩市さん役者になりたかったの?

佐藤 いや。三國とほとんど一緒にいたことはなかったんだけど、ただ彼が撮影所には呼んでくれてたの。日活だったりとか。子供から見るとすごく不思議な風景だったの。撮影所ってさ、同じ建物がずっと並んでるわけでしょ。当時は今の撮影所よりもっと広いし、スタジオも多かったから、不思議な印象、SFチックなんだよね。こんなところで何をやってるんだって思いながら。当時ワンカット30分以上かかってたから、動いてるのを見ながら。映画作ってるのをずっと見てきたんで、いずれ映画を作るところに参加したいなという思いはすごく強かった

中井 おれは逆に全くおやじを知らないでしょ。お父さんが俳優だったという情報はある。肌のぬくもりも知らない、声も知らない。丸の内フィルムセンターがあって、そこで昔の映画をかけるときに家族でおやじを見に行く。小学校2年生ぐらいからし始めて。昔の映画を見るのは、おやじのことを知るため。まあ、あの世界だけは絶対行かないだろうなっていうふうには思ってたんです。大学に入った時に映画の話をもらって。浩市の場合はお父さんがご存命だったから、背中が見れてたじゃない?僕の場合は背中がなかったので、その背中を見たい感じで。自分の将来をそこで決めたい、おんなじ仕事をしてみたい。そこが出発点だった。

三谷 こういう話は初めて?
中井 俺も今思ったけど、初めて聞いた
三谷 二人であってごはん食べたりとか
中井 あんまりないもんね
佐藤 この人がイケる口じゃないから

中井 演出家してると、芝居してる時ほどプライベートを雄弁に喋ってるってことあります?
三谷 それまでの人生が全部出てるね。
中井 40ぐらいの時初めて会ったんだけど、芝居をすることに集中してるから、素の人間がすごく見えてくるのはすごくある。飯を食いに行くよりも。いろんな細かい情報はわからないけども、人となりはそれだけで十分見えてくる

三谷 なんで浩市って呼ぶんですか
佐藤 おれも普段は貴一って呼んでるんで

中井 だいたいデビューが一緒なんですよ
三谷 年は上でしょ
佐藤 一個上
三谷 でも僕は浩市さんって呼びますよ
中井 今日から浩市
三谷 ピーチ(笑)
中井 なんでおれだけ。おかしいでしょ。舞台で、差し入れ、桃のゼリーを持って「ピーチ!」言ってんの。何言ってんのかな。「貴一 ピーチ」って書いてある。ものすご頭にきた(笑)楽屋に桃のゼリー持ってきた時の顔は忘れないですよ

三谷 そんな嫌だとは思わなかったけどね
佐藤 先輩後輩こだわるの?
三谷 年齢ごとの意識、俳優さん同士ってあまりないの?
佐藤 体育会系だからあったと思うけど、この年になって50過ぎて「一個上が」
三谷 からが大きいの
佐藤 大きいですか。
三谷 来年60。(中井貴一は)あと一年。
佐藤 待ってくれよ!今違う意味で響いたよオイ! 若いなっていうより幼いなってのもあるじゃない。
中井 俺らがデビューした時の60ぐらいの先輩すごかった。文太さんとか高倉健さんとか、威厳が違いましたもん。若山(富三郎)さんは強かった
佐藤 はじめやったNHKのドラマが「事件」次また若山さんとご一緒して。ものすごく厳しい方だったから。キツイなと思ったけど今思うと、若山さんと何本かやらせていただいて良かった。
中井 割とズバズバ言ってたの?若山さんに?
佐藤 そんな言ってないよ。言えないよ
三谷 若ちゃん(笑)
中井 みんな若山さんの前に行くと直立不動になる。役者の間では当たり前。わざわざ控え室にご挨拶に行くとか
佐藤 俳優は会館の前に全員並ばされたもん。入られると「浩ちゃん!若山先生きたで!」メイクしてる途中で行って。
中井 俺はご一緒したことはないけど、お饅頭持たしてもらって。若山さんとの話が終わらないと、朝始まらない。別な映画に出てる

三谷 今の若い俳優さんは、そういう感じで佐藤さんを見てる
佐藤 そんな厳しいことは言えないでしょうね。言ったところで「あのジジイ」思われちゃうから
三谷 言わないですか?
佐藤 好きな奴には言う
三谷 怒られた人は「ああ、好かれてるな」思う
佐藤 たぶん。結局芸事の世界って、情がなきゃ残れるもんじゃないかもしれない

後編少々

後天性閉所恐怖症

人間ドックと閉所恐怖症の話が冒頭。三谷幸喜は50過ぎたら睡眠欲がある。
佐藤 後天性閉所恐怖症
中井 おれも。おれは(笑)中国へ撮影に行った時、水中撮影があった。ダイバーに1回下に沈められて、無理やり声出させられたけど、呼吸の仕方もわからないし、溺れたんですよ。帰ったら、酸素を吸う機械知ってる?行く前に体調を整える。入って気圧が抜けた途端「ふうううぁぁ!!」ってなって「開けてくれえ!!」
佐藤 ぼくはMRIで再検査になっていったんだけど。MRIがものすごく狭かったんですよ「じゃ、これから50分」なったら心臓がバクバクバクバクして「ちょっと1回開けてください!」
三谷 僕も途中でダメになって「申し訳ないごめんなさい!」出してもらいました
佐藤 デスマスク、大丈夫だろうなあと思ったけど
中井 分かる気がする俺もダメ
佐藤 うわこれダメだァ、俺こうやって(手を広げたり上げたり)確認するために
中井 性格的にならないと思ってた。よかったぁ、一人じゃねえんだ

中井貴一佐藤浩市は持ってる物が違うから(キャスティングで)かぶることはない

息子の映画

三谷 自分が関係してない映画で、最後に見たものってなんですか
佐藤 うちの坊主の映画です(長男・寛一郎)正直ほっとする部分も。スクリーンで見ると違う感じ。見えるアラもあれば、逆に隠してくれる場合もある。大きい映画館に行くと。
三谷 泣きそうになりました?
佐藤 泣きそうにはならなかったです
三谷 泣いた?
佐藤 いや、泣いてない。青春映画だったんで、若い人の中に坊ちゃんがいたっていう恥ずかしさですね
三谷 ダメ出しとかするんですか
佐藤 しないですね。変な話、おれは両方の気持ちがわかるから。言う側言われる側。言っていいこと悪いことがある。芝居のことに対しては言わないです。

short cut(2011)

中井 俺と鈴木京香ちゃん、カメラマンの3人で山の中に入ってるわけ。この人一番見切っちゃうわけよ。途中で崖から落ちたんですよ。俺ら芝居してる時に「あ..あっ」声が聞こえる。視界で、必死に踏ん張ってる三谷幸喜がいて、笑いが止まらなくなったけど芝居続けなきゃいけないじゃない。もういないで欲しいできるなら。それを三谷さんわかって「僕はついていきません」
三谷 僕が足を引っ張ってるのわかる
中井 地獄のようだったのよ。1日1回しかできないから。試写会でダメ出しがあるわけよ。公開処刑みたいな感じ。「今のダメだし行きます」体クッタクタだけどダメ出し出されて「明日頑張りましょう」14日やりましたね。あの鈴木京香さんが「きょうの晩御飯はなんでしょうか」三谷さんが「はい?」...「今日の晩ご飯のおかずはなんだと思いますか?」「えーと、ちょっと僕、今、ダメ出ししてるんですけど」
三谷 あれはなんだったの?怒ってる感じだったの?
中井 いや、追い詰められた感じだったと思うんです。俺も「大丈夫?京香ちゃん」その2日後に自分もなるんですよ。追い詰められてく感じに。終わってみると面白かったけど。
佐藤 見ててね、あんな苦しいものはないわけ。同業者はね。2人の辛さもわかるけど、途中から出てくる梶原善なんか、引きつってるのが分かる
三谷 1時間後に出てくる
佐藤 あれはね、見ててね、あんな苦しいドラマなかったよ

三谷 あれ最後にクマが出てくるんですけど、僕が入ってたのわかりました?
佐藤 そんなのわからないよ(笑)
三谷 ゴールで待ってたけど寂しくなっちゃって。みんな頑張ってるのに関わりたいと思って、スタッフにお願いしてクマのぬいぐるみを着て。でも僕の出番って始まってから1時間20分ぐらいのところで出てくるんだけど、その間僕ずーっと山ん中で待ってるわけだ。もしここにハンターが来たら(笑)撃たれるじゃない(笑)周り誰もいないんで。山んなかクマの格好で待機してるのすごい怖かった

三谷幸喜「short cut」

三谷幸喜「short cut」

  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: Prime Video